すこやかアカデミー

病気の予防と改善

生活習慣病やアレルギーの症状の改善や、予防に役立つ暮らしの工夫を知っておきましょう。

生活習慣病 肥満症

食事と運動のポイントと治療法

●食事のポイント
(1)理想の献立は主食と1汁2〜3菜の和食を主体にする。
  糖尿病対策には1日に4食に分食がよい。
(糖尿病患者の基本カロリーは1600kcal)

(2)1日30品目を目標にバランスよく偏りのない栄養をとる

(3)調理法の工夫で脂肪をカットする

(4)空腹を満たしやすい食材をうまく摂りいれる

(5)野菜は毎食、特に緑黄色野菜や海草・きのこ類など食物繊維が豊富な食品を多く摂る

(6)納豆、豆腐など大豆製品は毎日摂る

(7)糖分の摂りすぎに注意する

(8)果物は量を少なめにする

(9)味付けを薄めにし、塩分を控える

●運動のポイント
運動の時間と量は、毎日一定になるようにすることが望まれます。自分にあった長続きする方法で、少しずつ根気よく続けます。

内容はウォーキングや水泳などの有酸素運動を行い、同時に体操やストレッチング、筋力トレーニングなどで基礎代謝を高め、エネルギーの消費を促しましょう。

運動量としては、1日に1〜3回、食後(30分〜1時間)に、15〜30分以上歩行するような有酸素運動を基本に各自にあう方法で取り組むのが有効でしょう。

●肥満症の治療法
食事療法、運動療法、行動療法、それに加え薬物療法が肥満症療法の柱となりますが、肥満症の治療というとカロリーブックと首っぴきの食事療法、苦しい運動療法というイメージがあり、それだけでも挫折しそうです。

下記をクリックすると京都府立医科大学附属病院の吉田俊秀教授によるカロリーブックや電卓をつかわない肥満症の治療方法を、わかりやすくポイント解説した札幌厚生病院循環器科の資料がありますので、ご紹介します。

●肥満症治療方法のポイント
<理想的な脂肪の摂り方>
下表を参照して、脂肪摂取を控えるようにしてください。
日常生活では、下表の○の番号の若い方が摂取の比率が高いと思われます。

理想的な脂肪の摂り方

生活習慣病と遺伝子

生活習慣病がしばしば血縁者に多発することなど、生活習慣病の発症には生活習慣がすべてではなく、多くの場合発症に「遺伝因子(遺伝子)」がかかわっているのも事実です。

生活習慣病は、多くの遺伝的因子のうえに生活習慣を代表とする環境因子がさまざまな影響を及ぼした結果として起こる疾患ということができます。

生活習慣病に挙げられる疾患の中には,遺伝因子の影響が非常に大きな比重を占める疾患(例えば、インスリン受容体遺伝子の大きな異常が原因としておこる糖尿病は、生活習慣の改善では防止できず、その異常遺伝子をもっていれば必ず発病する)は、生活習慣病とは明確に区別して対処する必要があります。

一般的にいわれている生活習慣病の発症にかかわる遺伝因子は、ほとんどの場合個々の遺伝子異常の影響は決定的なものではなく、その異常が存在しても必ずしも発病するものではありません。さまざまな遺伝因子の相互関係により遺伝的環境がつくられていますので、遺伝因子だけでは発症に至らないことも多いのです。 それゆえ生活習憤の改善の効果が期待されるわけです。

「肥満や糖尿病になりやすい遺伝子を持つ私は節制しても無駄だ」と嘆く前に、日々の食生活を見直したり、適度な運動を怠らず、ストレスともうまくつきあい、生活習慣病から身を守りたいものです。いま、それが可能なのですから…。

近い将来、遺伝子診断や解析がもっと進んでくれば、個々人に対応した「個別の栄養指導」や「投薬・副作用対策」が可能となります。
そして、これら科学的な改善技術と従来からの生活習慣改善方法も科学的に裏づけされ、両者をトータルに取り組むことにより、「生活習慣病の一次予防」と「改善」がさらに前進して図られるものとなっていきます。
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