夏の深夜に、突然
ある日、とつぜんの激痛におそわれ、歩くこともままならなくなる「痛風発作」。
風があたっても痛い思いをすることから「痛風」の名があると聞いたことがある人も多いかもしれませんが、「風」は病気を表す語なので俗説のようです。
実は、この痛風発作が頻発しているのが、これからの季節、夏場の深夜なのです。
痛風の原因物質は、尿酸が血液中に溶けきれず、結晶となったものです。
・暑さに汗をかいて、血液中の尿酸値があがってしまう
・暑さをしのぐためにプリン体を含むビールを飲みがち
・尿酸値をあげるショ糖やフルクトースを含む清涼飲料水を飲みがち
先にあげた3項目は、
・水分が減って、尿酸の濃度が上がってしまう
・尿酸の原料となるプリン体を多量に摂取してしまう
・体内に入って、尿酸の排泄をさまたげる物質をつくってしまう
という理由で、いずれも尿酸値があがる原因をつくっています。
痛風は、男性がなる病気というイメージがあります。これには、女性ホルモンに尿酸を排出するはたらきがあるため、女性の場合は尿酸値が上がりにくいのです。
ですから、女性の場合は閉経後には注意が必要です。また日常的に薬を服用している場合、薬のなかには、尿酸値をあげる働きのあるものもあることも知っておきましょう。
日常でこころがけたい予防法
夏場の備えとしては、
・水分をしっかりとる
・ビール、清涼飲料水を避ける
・激しい運動より軽めの有酸素運動
を心がけるようにしましょう。
ジムでおこなう筋トレは、基本的に無酸素運動になります。健康のためとおもってやっていることが、痛風に関しては裏目にでてしまいます。
牛乳にふくまれるカゼインは、尿酸の排出を助けるはたらきをもっています。
朝、おきぬけにいっぱいの牛乳を飲むことも有効だと考えられます。
体内に生じた尿酸の結晶は、なくなるまでに何年もかかります。痛みが無くなったからと、不摂生な生活に戻ったら再発のおそれがあります。
予防にまさる治療はありません。痛風のしくみをしって正しく備えましょう。
また発症した場合は、いそいで医師にかかることが大切です。
参考情報:
山中寿『痛風とつきあう法』東京新聞出版局
(公財)痛風・尿酸財団
https://www.tufu.or.jp