マダニの活動期は12月までも
(画像出典:厚生労働省2018年啓発ポスター )
新型コロナワクチンの4回目の接種がはじまりました。
記録的な酷暑がすぎれば、秋がやってきます。これまで控えていたアウトドアへのおでかけを計画しているひともいることでしょう。
外に出かける際に注意したいのが、マダニによる感染症です。
マダニは、シカやイノシシ、野ウサギがいる環境に多く棲息しています。
民家の裏山や畑のあぜ道にもいます。
そして春から秋に活動を活発化させるマダニは、夏がすぎても警戒しなければいけません。
マダニを警戒しなければいけないのは、マダニがさまざまな病原菌を媒介する生き物だからです。
マダニによって、つぎのような病気が引き起こされることがわかっています(代表例)。
病名 |
原因菌・ウイルス |
日本紅斑熱 |
リケッチア(微生物) |
Q熱 |
リケッチア |
ライム病 |
スピロヘータ(細菌) |
重症熱症血小板減少症候群(SFTS) |
フレボウイルス(ウイルス) |
近年、注目されているのが、重症熱症血小板減少症候群(SFTS)です。
有効な薬やワクチンがなく、日本での致死率は12%と低くありません。
これまでは、西日本中心に広がっていましたが、千葉や静岡でも感染例がみつかっています。
帰宅、下山の後始末が重要
対策としては、
・屋外にでかける際の服装に注意する(肌を露出しないように)
・袖は手袋に、シャツの裾はズボンに、ズボンの裾は靴下のなかに入れる
・ハイネックのシャツや首元にはタオルを巻く
・帽子をかぶる
・虫除け剤を活用する(効果は限定的)
・上着は自宅に持ち込まないか、熱湯消毒(60℃以上)する
あるいはガムテープで除去する
・入浴の際に、噛まれていないか確認する
といったことがあります。
マダニに噛まれていることを発見した場合は、皮膚科などを受診し、専門家にとりのぞいてもらいましょう。自分でとると、噛み付いている一部が残ることがあるからです。
重症熱症血小板減少症候群(SFTS)は、潜伏期間が6日から2週間と長いのが特徴です。発熱、倦怠感や嘔吐下痢腹痛といった消化器症状が現れます。
野原や山にでかけたあとにこうした症状が現れた場合は、受診の際にそのことをつげるようにしましょう。