No.103
新年は宴会の季節。「胆石症」にご注意
あまりの痛さに七転八倒。救急車で病院に
いよいよ新年!新年会などの宴会に出席する機会が多いこの季節は、ずらりと並んだおいしい料理につい食べすぎてしまいがちですが、そんなときふいに襲ってくる病魔があります。食後しばらくして突然脇腹を激しい痛みが突き刺し、あまりの痛さに七転八倒。救急車で病院に運ばれるケースです。
その犯人が「胆石」・・胆のうや胆管にできる結石で、成人の10人に1人が持つといわれ、誰にでも起こる病気です。とくに女性は男性の2倍の発生率とされ、とりわけ40代女性に多く、肥満の中高年も要注意です。
胆石は一般的には胆のうにできた結石(胆のう結石)を意味することが多く、7割以上はコレステロールが固まったコレステロール胆石です。自然に体外に排出されるケースも多いですが、排出されない場合は症状がないまま少しずつ大きくなってゆきます。そして、ある程度以上の大きさになると、胆管に詰まったり、胆管や胆のうを傷つけて炎症を起こしたりして突然の激痛をもたらすのです。
食生活や運動不足などの生活習慣が原因に
胆石の症状は、脂肪の多い食事を食べた後やその夜、みぞおち付近に差し込むような痛みが1-2時間続きます。一方、鈍痛や圧迫感程度だったり、肩や背中の痛みなどの場合もあります。嘔吐感を感じることも多く、細菌に感染すると発熱、悪寒、黄疸なども加わって、危険な胆管炎を起こす恐れもあるので早期治療が不可欠です。
胆石ができるメカニズムは以下です。肝臓で作られた消化液「胆汁」は胆管を通って十二指腸へと運ばれる途中で胆のうで一時的に蓄積され、10倍前後に濃縮されます。ところが、肉や揚げ物、卵黄などの油脂成分の多い食事が続いたりすると、胆汁の成分(コレステロール、ビリルビン、胆汁酸、レシチンなど)のバランスが狂って過剰な成分が結晶化してしまうのです。
食生活、ストレス、運動不足などの生活習慣、肥満や体質などが原因とされ、食事の後で上腹部(とくに右)の痛みをくり返すなどの症状がある場合は早期治療が必要で、早めに病院で検査を受けたほうがよいでしょう。