No.101
冬場の入浴は「ジェットコースター血圧」にご注意!
ジェットコースターのように血圧が上下
日増しに寒さが増す今日この頃。熱いお風呂で芯まで温まろうと脱衣場でさっと服を脱ぎ捨て、浴室の寒さに震えながら湯船に飛び込む方も多いと思います。でも、そんな入浴をしていると、実はとっても危険。冬場は風呂場で意識を失ったり亡くなったり方がとても多いからです。その原因が「ジェットコースター血圧」です。
ジェットコースター血圧は、熱い湯船などに急に浸かることで血圧が急上昇した後で急降下、激しい気温差によってまるでジェットコースターのように血圧が上下することを言います。熱いお湯、とくに42度以上のお湯が危険です。その訳は人間は体温が42度以上になると生命活動を維持できなくなるからで、42度はまさに危険な42(シニ)温度なのです。ですから、お湯の温度が42度以上だと体が過剰反応して血圧が急上昇、その後で高温で温められた血管が拡張することで今度は血圧が急降下してしまいます。
血圧が急に上下してしまうと、血管がダメージを受けて脳に十分な血液を送ることができなくなります。その結果、意識障害を起こしたり、脳卒中を起きたりして湯船内で意識を失ったまま溺れることで最悪の場合死亡してしまうのです。
入浴中に死亡した人は推定19000人
ジェットコースター血圧になると、なんとか湯船から出られても冷たい大気で血圧が再び急降下。立ちくらみで転倒したり、高温で血液の粘度が上がることでできた血栓が血管に詰まって心筋梗塞や脳梗塞などが引き起こすこともあります。
入浴中に死亡した人の数は推定で年間19000人にも上ります。とくに高齢者は血圧が高かったり動脈硬化を患っている人が多く、血管が狭くもろくなっているので、入浴中の死亡事故の大半を占めているのです。
では、どうしたらジェットコースター血圧を予防することができるでしょうか?
まずは入浴前に脱衣場を暖房器具で暖めるとともに、浴室自体もシャワーで熱いお湯を出したり、浴槽の蓋を開けて湯気で温めたりして寒すぎないようにしてください。
また湯船のお湯の温度は40度以下の低めにして、湯船に浸かる前に手桶で湯船のお湯を数回体にかけることでお湯の温度になれさせてください。もし入浴中に血圧が低下して眠気を覚えるようでしたら危険ですので、水道の冷たい水を手をかけて冷やせば血管が収縮して血圧が上昇してくれます。