カラダの健康トピックス

健康
2017/05/01

No.95
ついにタバコについで酒も規制か

厚労省が「アルコール健康障害対策室」を新設

タバコの健康被害に対する国際的批判の荒波の中、近年愛煙家たちの肩身は狭くなるばかりです。わが国でも来たる東京オリンピックに向けて、厚生労働省は飲食店や公共の場における喫煙を全面禁止する「受動喫煙防止法案」(健康増進法改正案原案)の今国会成立を目指しています。
そんな厚労省の次のターゲットと噂されているのが「お酒」です。
アルコール依存症などによるお酒の過剰摂取は心身の健康を蝕むばかりか、飲酒運転や家庭内暴力などにもつながります。そんなお酒に対する批判の波の広がりを背景に、この厚労省はこの4月「アルコール健康障害対策推進室」を同省内に新設。お酒の販売から飲酒自体までを制限するアルコール規制の導入を目指しているといいます。

酒類規制は国際的流れ。厚労省の次の一手は?

WHO (世界保健機関)は2010年の総会で、酒類の販売・広告を規制する新指針「アルコールの有害な使用を減らすための世界戦略」を全会一致で採択しました。
同指針には条約のような強制力はありませんが、「飲酒は世界で年250万人の死因に関係」と警告。過剰飲酒や未成年飲酒を防ぐため、酒の安売り禁止や飲食店での飲み放題禁止などにも言及。酒税率アップによる酒類価格の引き上げ、公共の場における販売規制、小売店の販売時間や日数・店舗数などの制限。さらには、未成年者への影響を考慮した広告規制、未成年向けイベントにおける販促の規制などの酒害対策を各国に求めました。
こうした流れを背景に、アルコール規制はいま世界的に進んでおり、欧米はもちろんアジア諸国にも規制の動きが急速に広がっています。たとえばシンガポールでは「公共の場」における午後10時半から午前7時までの飲酒が禁止され、違反者には高額な罰金が科せられることになりました。
一方、わが国でも2013年に「アルコール健康障害対策基本法」が成立。「アルコール健康障害対策基本計画」の下に依存症対策が進んでおり、昨年5月には改正酒税法によってディスカウント店などの酒の「過剰な安売り」も規制。厚労省による次の一手に注目が集まっているのです。

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