カラダの健康トピックス

医療
2017/04/03

No.94
格安インプラントは高くつく?

安い治療には安いだけの理由がある

近年歯のインプラント手術を受ける人が増加しています。
インプラントは虫歯などで失ってしまった歯の歯茎に人工的な歯を埋め込む治療で、本物の歯同様の見かけや効果が期待できることで人気が高まっているのです。
しかし、インプラント手術は特殊なケースを除いて健康保険が適用されないため、一本埋め込んだだけで平均30万円もかかることが患者にとって頭が痛い問題となっています。 そのため、少しでも安くしようと「格安インプラント」を掲げる歯科医院の門を叩く人が増えているのです。
ただし、ここで一つ問題があります。安い治療には安いだけの理由があるということです。まず気をつけたいのは、治療内容にどのような項目が含まれているのかということです。インプラント手術の項目には、歯茎に埋め込む「人工歯根」(インプラント体)や「人工歯」(被せ部分)、手術、検査などがありますが、場合によっては治療内容に人工歯や検査が含まれていないこともあって追加費用がかかってしまうのです。
さらに、インプラント手術は顎の骨に穴を開けなければならないため、医師の確かな技術が必要です。万一医師の技術が不十分な場合は、一生歯の悩みを抱え込むことになってしまうのです。

骨に雑菌が感染して溶け出すことも

インプラントでとくに留意が必要なのが、手術が終わったからそれで終りではないということです。たしかにインプラントの人工歯根や人工歯が虫歯になることはありませんが、人工歯根を埋め込んだ歯茎に雑菌の固まりである「歯垢」が溜まってしまうことで、周囲の歯肉が炎症を起こす「インプラント周囲炎」を発症する恐れがあるのです。もし進行すると、歯根を埋め込んだ歯茎の骨に雑菌が感染して骨が溶け出してしまう危険もあります。
そのため、インプラント手術後にも、周囲炎予防のため歯垢を溜めないようにするセルフケアはもちろん、歯科医院における定期的なメンテナンスが必要となってきます。さらに、手術後に噛みあわせが悪くなったり、インプラントがぐらぐらしたりすることもあって、医師による調整や付け直しが必要になることもあります。そんな場合、格安インプラント医院は治療後のサポートをしてくれないところが多く、調整や付け直しのための多額の追加費用が発生してしまうのです。
また、格安インプラントは人工歯根や人工歯の素材の低品質なことが多く、人目につきやすい人工歯が変色したり、破損したりするなどの恐れがあります。このため、保証期間が短いと、交換も自己負担になってかえって高いものについてしまう可能性があるのです。

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