食中毒年間最多発生月は10月
いよいよ食欲の秋到来!でも、注意しなければならないのが「食中毒」。食中毒といえば夏や梅雨に多いと思われがちですが、実は食中毒が年間で最も多く発生するのは10月なのです。
秋になると夏にくらべて涼しくなるので、油断して食品の保管がおろそかになってしまったり、行楽や行事のシーズンということで屋外でのバーベキューや文化祭、運動会など、屋外での食事が増えることがその原因です。また、夏の猛暑の後遺症で体力や免疫力が落ちていることや、細菌やウイルス、さらにこの季節特有の有毒食品への注意が必要です。
このうち秋に多い有毒食品としては毒キノコがその代表です。この季節にはマツタケをはじめとするキノコ狩りをされるヒトも多くなりますが、食用キノコと間違えて毒キノコを食べてしまう食中毒患者が後を絶ちません。生えているキノコが食用かどうかを素人が判断するのは危険なので、キノコに詳しい人に見てもらって毒キノコを採らないように注意しましょう。
また、秋から冬にかけては天然フグの季節で、フグによる食中毒にも注意が必要です。フグ中毒の大半は素人が調理したことによるもので、フグの内臓に含まれるテトロドトキシンは猛毒のため、けっして素人が調理してはいけません。
ノロウイルスによる集団感染も増加
一方、細菌による食中毒はウェルシュ菌、サルモネラ菌、腸炎ビブリオ菌、黄色ブドウ球菌、病原性大腸菌、カンピロバクターなどによるもので、免疫力の低い人は重症化する可能性もあり、死亡例も出ています。
さらに、秋から冬にかけては、ノロウイルスやロタウイルス、サポウイルスなどのウイルスによる食中毒も増加します。この季節に多いカキなどを原因とする食中毒はノロウイルスによるものが多く、嘔吐、下痢、腹痛、発熱などを発し、重症化することもあるので、こうした症状を感じたら早めに医師に受診してください。とくにノロウイルスは感染力が非常に強く、集団感染も多く見られます。よく手を洗うことで、二次感染を防ぎましょう。
ちなみに自分でカキを調理される場合は、中心部の温度が85°以上になるようにして1分以上加熱してください。