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株式会社ヴィーダ
国立感染症研究所の発表によると、全国の医療機関から報告された9月10日から1週間の「RSウイルス感染症」の患者数はすでに昨年のピーク時を超えて3789人に達しました。RSウイルス感染症は「RSウイルス」というウイルスによる呼吸器感染症で、毎年秋から冬場にかけてピークを迎えますが、今年は増加ペースがとくに早いため、注意が必要となります。
RSウイルスは感染力が非常に強く、おもに乳幼児が感染。2歳までにはほとんどが感染し、その後も感染を繰り返します。症状としては、発熱、鼻水、せきなどのかぜに似た症状を呈し、とくに喘息のようなゼイゼイというせきや喘鳴(ぜいめい:喉が鳴る音)が特徴で、1-2週間も続いた後ようやく治ります。しかし、新生児や乳幼児などでは重症化しやすく、肺炎や気管支炎などを引き起こしたり、致命的な乳幼児突然死症候群(SIDS)を発症することもあるので要注意です。
RSウイルス感染症のワクチンや有効治療薬はいまだに開発段階のため、治療は通常は症状を抑える対症療法が中心になります。発熱には解熱薬や冷却を、せきや喘鳴には気管支拡張薬や去痰薬などを用います。そして、睡眠や栄養をたっぷり取って、温かくして安静を保ち、痰が出やすいように水分補給も十分に行ってください。
こうして幼児たちは感染と完治を繰り返しながら徐々にRSウイルスに対する免疫を獲得してゆきます。感染回数が増えるにつれて症状も軽くなり、3歳までにほぼすべての幼児が抗体を獲得することができます。
RSウイルス感染症の予防には、主な感染経路が飛沫感染と接触感染のため、保育所などや家族内で感染が起きやすく、うがいや手洗いを徹底したり、マスクの着用が必要となります。また、乳幼児の受動喫煙はRSウイルス感染を引き起こす可能性があるため、受動喫煙の防止も考慮してください。