カラダの健康トピックス

医療
2012/09/05

No.38
原因不明の「不明熱」が急増

ストレスを原因とする発熱が増加

あなたは最近なぜか体が熱っぽいことはありませんか?

最近、原因不明の発熱「不明熱」が増えています。不明熱は正式にはFUO(fever of unknown origin)と呼ばれ、発熱が3週間以上にわたり、38.3℃以上の高熱が3回以上。さらに、1週間以上の入院精密検査によっても原因が分らない場合をいいます。

不明熱の原因はさまざまですが、サルモネラ菌などの感染症によるものがもっとも多く、これに白血病などの悪性腫瘍、膠原病や血管炎などの非感染性炎症性疾患が続き、三大原因といわれています。さらに院内感染、好中球減少やHIVによるもの、アレルギー、薬剤熱、詐熱などの多くの原因がありますが、約30%は原因が不明です。

最近ではストレスを原因とする心因性の発熱も急増しており、発熱とともに全身の倦怠感、頭痛、食欲不振、集中力低下などがみられ、とくに季節の変わり目などに多く発生します。

毎年5万人以上の結核患者が

不明熱の治療には発熱の原因究明が第一となります。とつぜん38度以上の高熱が出た場合は、インフルエンザなどの感染症の疑いがあり、高熱が1週間以上続く場合は感染症にくわえて膠原病や悪性腫瘍なども考えられるため、ただちに医師の診察を受けてください。

また、忘れてならないのが結核で、1月以上続く微熱にくわえ、咳、痰、悪寒、頭痛、倦怠感、体重減少などが続く場合は要注意です。結核は過去の病と思われていますが、近年再び復活。現在でも毎年5万人以上の患者が新たに登録されている無視できない病なのです。

不明熱の診断では、血液検査、超音波検査、CT検査などの検査によって身体になんらかの疾患があるかどうかを調べ、原因となった疾患に対する治療を行います。結核の疑いがある場合はエックス線検査や痰の検査が行われます。

一方、検査で目立った異常がない場合は、心因性の発熱の可能性があるため、心理的なストレステストによって体温が上昇するかどうかを調べます。心因性の発熱の治療には通常の解熱剤は効果がないため、自律神経調整薬などが用いられ、原因となったストレスを軽減するために休養などによって心身の回復をはかることも効果的です。

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