No.27
健康メニュー「カレー」で夏を乗り切ろう
さまざまな健康効果を持つカレーのスパイス
連日の残暑に食欲も減退気味の今日この頃。しかし、そんなときでも、匂いをかいだだけで食べたくなるのが「カレー」です。カレーの本場インド、その日本とは比べものにならないような猛暑の中でも、カレーの香りをかぐとなぜか食欲がモリモリと沸きあがります。その秘密はカレーに使われているさまざまな「スパイス」。たとえばコリアンダーやシナモンなどのスパイスは胃腸の働きを高めて食欲増進する効果を持っているのです。
本場インドでは食べ物は薬でもあるという「医食同源」の考え方から、カレーに使われている何十種類ものスパイスは調味料としての役割に加えてさまざまな医療効果を持っています。実際これらのスパイスは中国では漢方薬の成分として古くから使われてきた薬用成分なのです。
カレーの主なスパイスとしては、胃腸の働きを活発にする効果を持つ「コリアンダー」。デトックス効果や消化促進効果を持つ「シナモン」や「カルダモン」。消化促進に加えて消炎効果などを持つ「クローブ」。咳止め効果などを持つ「レッドペッパー」。胃の働きを整える「クミン」や「ナツメグ」などがあり、いずれも優れた薬用効果を持っています。
カレーで冷え性や夏バテ防止を
なかでも「ターメリック」というカレーのスパイスは中国では「ウコン」と呼ばれる漢方薬の成分で、胃や肝臓の機能を調製する薬用効果を持っています。とくにその主成分である「クルクミン」は、さまざまな病気や老化の原因となる「活性酸素」を除去する働きが高いことが明らかになっており、近年注目を浴びています。また、クルクミンがアルツハイマー病の原因となるアミロイドベータという脳内物質の蓄積を防ぐ効果があるという研究報告もあり、アメリカ人のアルツハイマー病発症率に比べてインド人のそれはわずか4分の1という調査結果も出ています。さらに、クルクミンにはがんを抑制する効果もあるという研究結果も報告されています。
カレーには冷え性を予防する効果もあります。夏場は室内の強すぎる冷房で体が冷えてしまい、冷え性女性には辛い季節です。ターメリックやカルダモン、クローブなどのスパイスには血流増進効果を持つものが含まれており、冷え性の原因である血流低下を改善。体温を上昇させることで冷え性を防いでくれるのです。
また、夏場は暑い戸外と冷え切った室内の往復で、体温を司る自律神経が乱れ、疲れや食欲減退などといったさまざまな症状、いわゆる「夏バテ」を引き起こします。そんなときに助けてれくれるのがカレーです。とくに朝にカレーを食べると、スパイスの刺激で睡眠時に副交感神経優位に替わっていた体をスムーズに昼用の交換神経優位に切り替えることができ、乱れてしまった自律神経を正常に戻せることで、夏バテ防止に役立つのです。