6月11日は「傘の日」
6月11日は、この日がちょうど暦上の「入梅」にあたることから、日本洋傘振興協議会によって定められた記念日「傘の日」(1989年制定)。当日は、楽しさ、ファッション性、機能など、傘の持つさまざまな魅力が各所でアピールされます。
ちなみに湿気の多いこの季節はカビの活動が活発化する時期でもあります。ふだん何気なく接しているカビですが、最近カビによる病気が増えているのをご存知でしょうか。実は近年抗生物質をはじめとする薬剤の使用が増加したために、カビが薬に対する抵抗力をつけて活発化。多くの病気を引き起こしているのです。薬が効かない「多剤耐性」のカビも多く出現しており、カビが引き起こす病気の脅威が高まっているのです。
そんな危険なカビですが、カビによって引き起こされる病気としてはどんなものがあるのでしょうか。
ガンや肺炎、最悪のケースでは死に
カビが引き起こす病気の代表が「真菌症」です。真菌症という病気にはカビが皮膚から体内に侵入するものと、鼻や口から侵入するものとがあり、前者の代表が水虫です。一方、後者のカビは呼吸や食事などによって体内に入りこんでアレルギーの抗原となるもので、アトピー性皮膚炎、喘息、鼻炎などのさまざまな「真菌アレルギー症」を引き起こします。
なかでも近年増加しているのが「トリコスポロン」という日本特有のカビが引き起こす「夏過敏性肺炎」です。これは夏に発症する病気で、吸い込んだカビの胞子が抗原となってアレルギー反応を引き起こし、咳やたん、息切れなどの症状を呈して、悪化すると肺炎を発症してしまいます。
また、「アスペルギルス」というカビは肺に入りこんで、気管支肺アスペルギルス症や肺ガンなどを引き起こし、場合によっては命にかかわることもあります。さらに、ハトの糞に含まれる「クリプトコッカス」属のカビは脳に入り込んで、頭痛、発熱、吐き気などを引き起こし、悪化すると髄膜炎や肺炎などを合併して危険な状態になることもあります。 食品などに寄生するカビも「カビ毒」を発生して食中毒の原因となったり、ときにはガンを引き起こすこともあり、注意が必要です。
こうしたカビの発育に必要な条件としては「栄養」「水分」「温度」、「酸素」の4つが挙げられます。好んで住む場所としては、台所、風呂場、洗面所、押入れ、家具の裏などで、冷蔵庫やエアコンも要注意です。発生を防ぐにはカビが生えやすい場所の通風をよくして湿気を駆除し、清掃を心がけましょう。湿気が取れない場合は乾燥剤や乾燥機を使用してください。