カラダの健康トピックス

健康
2010/12/03

No.20
12月11日は「胃腸の日」

胃痛の主な原因は“暴飲暴食”と“ストレス”

いよいよ師走。相次ぐ忘年会でついつい胃腸に負担をかけがちな季節ですが、そんな最中の12月11日は胃腸の健康を考えるための「胃腸の日」。「胃に(12)いい(11)」の語呂合わせから日本大衆薬工業協会によって2002年に制定されました。
ほかの人種より若干神経質なせいなのか、われわれ日本人は胃腸を痛めやすく、5人に1人が胃腸の病気に悩んでいるといいます。胃の病気は胃酸過多、胃アトニーなど多種多様にありますが、とくに多いのが胃潰瘍や胃がんと並んで3大疾患と言われる胃炎です。
胃炎には急性と慢性があります。
【急性胃炎】
暴飲暴食などで胃粘膜が傷ついた直後に発症します。代表的症状としては、胃痛、胸やけ、胃もたれ、吐き気、便秘や下痢、嘔吐、食欲不振や腹部膨満など。
【慢性胃炎】
40歳以上の中高年に多くみられ、長期にわたる不摂生やストレスが病気の原因と言われています。悪化すると胃・十二指腸潰瘍を引き起こし、胃に穴が空き血便や吐血などの症状を呈します。また、近年【過敏性腸症候群】と呼ばれる腸の病気が増加傾向にあり、成人の約2割が患っていると言われます。ストレスを受けやすい性格の人に発症しやすく、腹痛、吐き気、便秘や下痢、食欲不振、腹部膨満などのほか、頭痛、動悸、不眠などの症状を引き起こします。

胃腸をいたわり適度な運動でストレス解消、元気な年末を

胃腸の病気の原因は、暴飲暴食、アルコール、喫煙、カフェインや香辛料などの刺激物、ストレス、睡眠不足、疲労、化学薬品などがあげられます。中でもストレスは大敵です。ストレスで自律神経のバランスが崩れると、胃腸の働きが乱れ、血管が収縮します。胃の血流が滞り抵抗力が弱まることで、前述の症状を引き起こします。
今年を健康に乗り切るにはどうしたらよいのでしょう。
急性胃炎の治療は、症状を抑える薬を服用し、暴飲暴食や刺激物などを控えることで早期に回復します。一方、慢性胃炎や胃・十二指腸潰瘍、過敏性腸症候群などの治療は、主な原因であるストレスを和らげて自律神経のバランスを整えることが重要です。ストレス緩和には、入浴、趣味、ウォーキングなどの適度な運動、たっぷりの睡眠などが効果的です。もちろん暴飲暴食は論外で、喫煙者も禁煙に努力しましょう。
さらに、健胃剤や制酸剤、整腸剤、精神安定剤などによる薬剤療法も症状の緩和に効果があります。とくに胃の症状の重い人はピロリ菌の検査を受け、陽性の場合は医師に除菌を相談してください。
一年の締めくくりに向けて、忙しさとともに負担をかけてきた胃腸をこの機会にいたわり、元気に新年を迎えましょう。

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