カラダの健康トピックス

健康
2010/08/23

No.19
「肺の生活習慣病」にご用心

8(は)月1(い)日は「肺の日」

8月1日は「8(は)・1(い)」の語呂合わせにちなんだ日本呼吸器学会の定める「肺の日」。同学会では、この日を肺の大切さをアピールするきっかけにしたいと呼びかけています。
近年高齢化の進行とともに気管支炎や肺結核、肺ガンなどの肺の病気が急増中ですが、とくに問題となっているのが肺の生活習慣病であるCOPD(慢性閉塞性肺疾患)という病気です。耳慣れない病名ですが、これまで別々に扱われていた肺気腫や慢性気管支炎などを包括する新しい名前で、喫煙、大気汚染、遺伝などを主な原因とし、現在日本で500万人以上、世界では約6億人が羅漢している問題疾患です。
COPDが進行すると、息切れ、せき、痰などの症状を引き起こし、進行するとこれらの症状がさらに悪化して体重が減少、呼吸困難から死へと至ります。予防や治療には、禁煙がもっとも有効とされ、関係機関が必死に禁煙を呼びかけています。

衝撃的な喫煙者の意識の低さ

ところが、昨年製薬会社のファイザーが行った喫煙と健康に関する実態調査で、対象者のCOPDに対する認識の低さが明らかになりました。たとえば喫煙が身体に及ぼす影響の調査では、COPDの疑いがある人は40代で20.0%、50代で68.5%、60歳以上で96.5%と、高齢化とともに急増。一方、発症リスクの高い40代、50代で、自らの健康よりタバコ代を気にする人のほうが多いこともわかり、高齢の喫煙者の健康意識のおそまつさが明らかになりました。
また、COPDの疑いがある人に「長期にわたる喫煙習慣でCOPDが引き起こされることを知っているか?」「今すぐ禁煙したいか?」と尋ねたところ、イエスと回答した人はそれぞれ33.0%、14.6%と、回答者の知識や意識の貧しさが露呈しました。さらに、喫煙者の65.3% はニコチン依存症で、その16.8%にうつ病やうつ状態の疑いもあることも判明。喫煙の及ぼす弊害の大きさが浮き彫りになりました。
こうした実態に対して日本呼吸器学会では、今後COPDの危険性や禁煙の必要性をより積極的に訴えてゆきたいとしています。

TOP >> カラダの健康トピックス >> 記事