カラダの健康トピックス

健康

No.3
たばこの健康被害を考えよう
煙のない健康的な社会づくりをテーマに、世界保健機構(WHO)では5月31日から6月6日までを禁煙週間としています。禁煙週間をきっかけに、たばこの健康被害について考えてみましょう。
たばこには、4000種類以上の化学物質が含まれており、そのうち有害物質は200種類を超えます。また、発がん性がわかっているものは43種類あります。
特に、たばこに含まれるニコチン、タール、一酸化炭素は、体への影響力が高い有害な物質です。

ニコチン

ニコチンは、素早く体内へ吸収され、脳内に刺激を与え、頭をすっきりさせたり、落ち着かせたりする精神作用があります。これを繰り返すうちに、ニコチン切れになるとイライラしたり落ち着かなくなったり禁断症状が引き起こされます。たばこを吸えば一時的にやわらぎますが、再び禁断症状が現れます。たばこをやめられなくなる原因となっている成分がこのニコチンです。

タール

タールには、ベンツピレンやアミン類などのほか、数十種類の発がん性物質が含まれています。血液中にほとんど吸収されませんが、べたべたとした成分が肺などの細胞につくので、肺や器官などを真っ黒にするだけでなく、肺がんや呼吸器疾患の原因になっています。その結果、循環器に大きな負担をかけることになります。

一酸化炭素

たばこの煙の成分には、一酸化炭素が含まれています。一酸化炭素は、赤血球中の血色素(ヘモグロビン)と結びついて、酸素の運搬機能を妨害します。体は酸欠状態になり、運動機能が低下するだけでなく、循環器系や心臓にも大きな負担をかけます。

がん発生のリスク

喫煙は肺がんだけに限らず、全身のあらゆる種類のがんにかかる可能性が高くなります。非喫煙者と比較すると、がん発生のリスクは、男性の場合、喉頭がん32.5倍、口腔がん2.9倍、食道がん2.2倍になります。

禁煙の効果

禁煙は長く続ければ、その分体の機能も回復するといわれています。数十分後には血圧や脈拍が正常値にもどり、数時間後には血液中の酸素濃度が正常に戻ります。また数ヶ月後には、運動機能や循環機能も回復してきます。さらに、五年後には肺がんによる死亡率のリスクが半減するとの調査結果もあります(米国肺協会資料より)。
禁煙のきっかけは、体の機能に問題が生じてからという人も多いですが、今年の世界禁煙デーをきっかけに、たばこの害から自らの身を守ることを考えてみてはどうでしょうか。

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