日本人の女性がメタボリック症候群の症状を改善するには、体重を約8〜13%カットすることが望ましいとの研究結果が、筑波大大学院人間総合科学研究科の中田由夫助教らの研究グループによって発表されました。
同グループでは、20代〜60代のメタボリック症候群の女性309人に、3か月間、食事制限や定期的な運動をしてもらい、主に(1)腹部肥満(2)血糖値(3)血圧(4)脂質異常(5)減量率について調査しました。
3ヶ月後の女性らの平均減量率は11.9%。全体の72.8%の女性に何らかの症状の改善が見られました。また、減量率8.1%を境に、成功率に大差が生じることもわかりました。8・1%以上の減量に成功した人の80・9%に何らかの改善が見られましたが、8・1%未満の減量だった人には44・1%しか改善が見られませんでした。特に、腹部肥満の解消には減量率13%、高血糖には同13.2%が必要となりました。一方、高血圧と脂質異常は、減量率との関連が低いことがわかりました。
これまで一般的な目標値は、5〜10%の減量で心筋梗塞など肥満関連の症状改善に効果があるとされていましたが、今回の実験では5%では不十分という結果が出ました。女性がメタボリック症候群を克服するにはそれを上回る8〜13%の減量が必要という研究結果は、今後の新たな目標値になるかもしれません。