カラダの健康トピックス

健康
2022/11/30

No.122
屋内で凍死? 低体温症の実態とは

1000人以上が凍死している

近年、夏は熱中症への注意が呼びかけられるようになっています。
しかし、毎年冬場に1000人以上のひとが凍死していることをご存知でしょうか。
今年は、電気代や燃料代の値上がりもあり、できるだけ暖房費を節約しなければと思っている家庭も多いことでしょう。屋内で凍死することもあると知って、健康を損なわないようにしましょう。
凍死につながるのは低体温症です。
低体温症は、深部体温が35℃未満になった状態です。深部体温とは、脳や内臓の体温のことで、臓器の働きを守るため一定の温度を通常は保っています。
低体温になると、 手足が冷たくなる/寒くて震える/つじつまが合わないことを言う/震えていなくてもふらついたり、意識が朦朧とする といった症状が現れます。
そのまま、体温の低下が続けば、最終的には死にいたります。
30℃ 脈拍、呼吸の減少、血圧の低下
28℃ 昏睡状態
25℃ 仮死状態
20℃ 死亡
凍死というと、登山者が悪天候に見舞われてといったことを想像してしまいますが、実は屋内で凍死する例も少なくありません。
リスクが高いのは高齢者です。高齢者の下記のような要因が、低体温症のリスクとなります。

・熱を生み出す筋肉の量が少なくなっている
・熱のもとになる食事の量が少ない
・身動きがとれない病気や病気の後遺症を持っている
・体温調節能力が低下していたり、体温の低下に気づかない
家族が同居していても、少し目を離したすきにという事例もあります。部屋の環境を整えたり、見守りに気をくばりましょう。

忘年会の帰り道も要注意

危険なのは、屋内だけではありません。
アルコールを摂取していると、末梢の血管が拡がり血液のめぐりがよくなります。身体の表面に流れてきた血液が冷やされることで低体温になってしまうのです。そして、酔った状態では、体温が低下して危険な状態であることに気づくことができません。
忘年会で痛飲し、道端で眠ってしまい、そのまま低体温症になるということも十分にありえます。
・身体の全体を温めることに努めましょう。 ・頭や首からは熱が外に逃げ出すので、帽子をかぶったり、マフラーやネックウォーマーを活用しましょう。 ・床と寝床の間に、新聞紙やアルミの断熱シートを敷いて、寒気が伝わらないように工夫しましょう。 ・温かい飲み物で内側から温めましょう(少しずつ、ゆっくりと。コーヒーや紅茶など利尿作用のある飲み物は控えめに) ・カイロや湯たんぽを、脇の下や鼠径部にあてて ・室温は18℃以上、湿度40%が適切です ・換気の際も、エアコンはつけたままにしたほうが電気代を節約できます(インフルエンザ、新型コロナウィルス感染症予防のため1時間2回、1回5分の換気が適切です)


参考文献:
避難所での低体温症にご注意(大阪府)
https://www.pref.osaka.lg.jp/attach/33926/00000000/18teitaion.pdf

電気安全に関するQ&A Q74(東京電気管理技術者協会)
https://www.eme-tokyo.or.jp/consultation/faq/answer74.php

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