カラダの健康トピックス

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2021/10/13

No.118
飲み薬も登場、コロナ医療はなにが変わる?

飲むコロナ治療薬の実用化、近づく

米製薬会社のメルクが開発をすすめている「モルヌピラビル」が、10月11日にアメリカの食品医薬品局に緊急使用許可申請を行いました。
成人患者に対する治験(第3相試験)で、入院、死亡リスクを低減させる効果がわかったからです。
薬の臨床試験は、テストする薬を飲む患者とプラセボ(偽薬)を飲む患者にわけて行われます。発症5日以内の患者に対して、1日2回各4錠のモルヌピラビルを投与する条件ですすめられた試験の結果、プラセボ(偽薬)を投与した患者では14.1%だった入院する割合が、7.3%に低減しました。死亡した患者もプラセボの患者では377人中8人でましたが、モルヌピラビルを投与された患者からは死者はでませんでした。
アメリカでは、年内に承認がおりる可能性があり、日本政府も申請があれば優先的に審査したいとの意向を示しています。

手軽さに期待も、まだまだ用心を

では、モルヌピラビルは、コロナ治療にどんな変化をもたらすことが期待されているのでしょうか。
まず軽症患者に対する治療には、現在、抗体カクテル療法が行われるようになっています(この療法については、前回のニュースで取り上げました)。
しかし、抗体カクテル療法は点滴で行われるため、場所がかぎられる制約がありました。第5波の対応のなかで、ホテル療養者、自宅療養者にも認められるようになりましたが、まだハードルが高いのが実情です。
いっぽう、モルヌピラビルは飲み薬です。ワクチンのように厳密に温度管理をして運送する必要も、点滴のように服用にあたって医療従事者の技術が必要というわけでもありません。 そのうえ、入院率を下げる効果が期待できるのです。そうなれば、必要な治療を受けられず自宅で死を迎えるようなことが起きる可能性も低くなりそうです。
問題は、日本での承認がスムースに進むか、また必要な量の薬を確保できるかにあるでしょう。いずれにしても、実際に使われるようになるのは、早くても年内か、年明け以降となるでしょう。
寒さにともなって換気が十分でない環境が広がるこれからの季節、新薬に期待するだけでなく、一人ひとりが密を避ける、必要な場面ではマスクを着用するといった自衛を怠ってはいけない状態が続きます。

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