カラダの健康トピックス

健康
2017/12/01

No.102
二所ノ関親方がサウナの帰りに意識不明

サウナって健康にいいの、悪いの?

去る10月19日、大相撲の二所ノ関親方(元大関若嶋津)が千葉県船橋市の路上で倒れているのを通行人が発見。意識不明で市内の病院に搬送され、4時間半に及ぶ開頭手術を受けました。さいわい手術は無事終わり、現在では訪問者の顏を見てにっこり笑うなど確実に回復。まだ手足は不自由なものの、リハビリも開始しているとのことです。
当日、いつものように朝稽古に姿を見せた親方は、稽古後に行きつけの入浴施設を訪れ、転倒したのは稽古場に戻る途中だったと見られています。持病もなく、日ごろから体に気を使い、運動も欠かさなかったという親方。サウナが好きだったそうで、当日入ったサウナが引き金になったのではないかと見られています。
たしかにサウナは健康によいと言われていますが、反面なにか健康的に問題があるのでしょうか。
サウナには、疲労回復、美肌、デトックス、肩こり改善、安眠、ダイエット、冷え性改善など、さまざまな効果があることが医学的に認められています。
サウナの高温によって体が芯から温まり、交感神経の働きが強まることで血管が拡張。脈拍が高まって血圧が上昇して血流が倍えます。各器官への酸素の供給も増えて機能が高まり、乳酸が分解されて疲れが取れます。さらに、タンパク質を修復するHSP(ヒートショックプロテイン)が作られることで、細胞を若返らせて免疫力も高まるのです。

とくに中高年はサウナの後の水風呂に要注意

このようにさまざまな健康効果で知られるサウナですが、そこには危険も潜んでいます。
サウナに入った直後は高温によって血圧が急上昇しますが、その後で血管が拡張して血圧が急降下、血圧の急激な変化で血管がダメージを受けてしまうのです。大量の発汗で脱水状態になって熱中症に陥る心配もあります。
サウナから出るときも要注意です。急に血圧が下がって脳への血流が低下し、失神したり転倒したり、脳梗塞などを起こす恐れもあり、死亡事故も発生しています。サウナから出ていきなり水風呂に入る方も多いですが、急激な温度変化で血圧が急上昇、心臓や脳にダメージを与えて、狭心症や脳卒中を引き起こす恐れもあります。
とくに中高年で高血圧や動脈硬化を持つ人、心臓の持病や脳梗塞の経験がある人は要注意。高温による脱水状態で血液中の水分が不足し、血栓ができやすくなって心臓や脳の血管を詰まらせ、脳梗塞や心筋梗塞を引き起こしてしまうのです。
また、飲酒や食事の直後、発熱や体調不良、疲れ切っている時などや、あまり長い時間入ったり、サウナの中で寝てしまうのも危険です。
くれぐれも入る前に体調を見極め、十分な水分補給をしてください。

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