カラダの健康トピックス

健康
2017/08/01

No.98
睡眠障害がアルツハイマーを引き起こす?

病変タンパク質がアルツハイマーの原因に

睡眠障害によって睡眠の質が低下すると、アルツハイマー病を引き起こすリスクが高まるという研究結果が米国で発表されました。
認知症の人が睡眠障害を引き起こすことはこれまでも知られており、アルツハイマーの人には認知症状が現われる前から睡眠障害が発生する症例も報告されていましたが、今回は逆に睡眠障害が認知症を引き起こす可能性を高めることが分かったのです。
ウィスコンシン・アルツハイマー病研究センターなどの研究チームは、睡眠の質とアルツハイマー病にかかわる各種タンパク質との関係を調べるため、認知症状を持たない平均年齢63歳の健康な成人101人の脊髄液を調査しました。
その結果、睡眠障害がある人には「タウ・タンパク質」と呼ばれるタンパク質の病変が認められるとともに、脳細胞が損傷したり炎症したりした痕跡も認められることが分かったのです。
この研究の成果は米神経学会誌「ニューロロジー」に掲載されました。

脳内有害物質の除去には8時間睡眠がお勧め

タウ・タンパク質は脳の神経細胞を支えたり、神経活動を助けたりする重要なタンパク質です。アルツハイマー病は「アミロイドβ」と呼ばれる病変タンパク質が過剰に脳内に蓄積することが原因とされていますが、最近の研究でタウ・タンパク質が病変して脳内に蓄積することでもアルツハイマー病が引き起こされる可能性が示唆されています。
脳はノンレム睡眠(深い睡眠)の間にアルツハイマー病の原因となる病変タンパク質を除去するため、脳を健康に保つには十分な睡眠が必要となります。今回の研究では、睡眠障害による睡眠不足が脳内の有害老廃物の除去を阻害して病変タンパク質が脳内に蓄積。アルツハイマー病のリスクを高めることが示唆されたのです。
別の研究でも、日中の活動量が少なく、夜間の睡眠の質が悪い高齢者は約5年後に認知症やその予備軍である軽度認知障害を引き起こすリスクが1.57倍になることも明らかになっています。こうした結果も睡眠障害がアルツハイマー病などの認知症のリスクを高めることを示唆しているのです。

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