カラダの健康トピックス

健康
2017/03/01

No.93
アイドル急死の死因は「致死性不整脈」

直前には元気に箱根へ家族旅行

去る2月8日に18才の若さで突然死したアイドルグループ「私立恵比寿中学」の松野莉奈さんの死因について、所属事務所は「致死性不整脈」の疑いで亡くなった可能性が高いと発表しました。
松野さんは死の2日前には、直前の家族との箱根旅行の写真をインスタグラムに投稿していました。ところが、次の日に大阪で開かれたコンサートは体調不良で欠席。病院で診察後自宅で療養していましたが、翌未明に容体が急変。両親が119番通報したものの、救急隊到着時には意識不明に陥っており、搬送先の病院で死亡が確認されました。
今回松野さんを襲った「致死性不整脈」とはいったいどのような病気なのでしょうか?
「不整脈」は脈拍の異常ではなく、心臓のポンプ活動のリズムが乱れた状態をいい、脈が速くなる「頻脈性不整脈」と脈が遅くなる「徐脈性不整脈」、脈がとぶようになる「期外収縮」に分かれます。致死性不整脈はこのうち頻脈性不整脈の一種で、「心室頻拍」や「心室細動」があります。心臓にかかわる突然死の多くはこの致死性不整脈によるものが多いといわれているのです。

ご注意!意識消失から突然死に至る恐れも

致死性不整脈のうちの「心室頻拍」は、心室で起こった異常な刺激によって毎分100回以上の速さの頻脈を起こします。そして心臓がポンプの役目を十分に果たせなくなるため、血圧が低下して全身に送られる血液が減少。放置すると意識不明を起こして、心停止に至る危険もあるため、緊急な治療を必要とします。
一方、さらに危険な「心室細動」は、心室がけいれんしたように小刻みに震える「細動」状態になって脈が異常に早くなり、全身に血液を送り出すことができなくなってしまいます。そして数秒で意識不明に陥り、心停止を起こして短時間で突然死してしまう危険性が高いため、ただちに心臓マッサージやAED(自動体外式除細動器)などで細動を取り除く必要があります。

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