カラダの健康トピックス

健康
2017/01/09

No.91
2時間の睡眠不足で運転事故リスク倍増

6時間睡眠で1.9倍、7時間でも1.3倍に

最新の研究で、適切な睡眠時間にわずか1?2時間足りないだけでも事故のリスクが倍増することが明らかになりました。
日本のJAFにあたる全米自動車協会(AAA)の交通安全財団は、米高速道路交通安全局による大規模調査データを再分析。事故前24時間の運転手の睡眠時間別の事故発生率を算出しました。
その結果、適切な睡眠時間(7時間超)の事故発生率に比べて、4時間未満の睡眠時間では11.5倍、4?5時間では4.3倍と発生率が急増。さらに、5?6時間の睡眠時間でも1.9倍、6?7時間でも1.3倍に増加することが判明しました。
ちなみに、他の研究でアメリカの5千件以上の交通事故を分析したところ、不眠症患者の交通事故発生率は普通の人に比べて3.5?4.5倍も高くなることも明らかになっています。

飲酒運転に匹敵する睡眠不足の運転

睡眠不足が続くと、知らぬ間に運転能力や判断力、認知能力などが低下して交通事故を起こしやすくなるうえ、居眠り運転の危険性も高まります。交通事故総合分析センターによる大規模調査では、前日の睡眠時間が4時間以下になると、居眠り運転事故の発生率が急激に上昇することが判明しています。
さらに厚労省の調査でも、睡眠時間が5時間未満のトラック運転手は5時間以上に比べてヒヤリ・ハット(事故につながりかねない事例)が2.3倍も多いことが明らかになっています。
くわえて、冒頭の研究において4?5時間睡眠の事故発生率が4倍以上増加したという数字は、飲酒による事故発生率増加に相当するといいます。
たとえば睡眠不足の被験者と飲酒運転の被験者との運転危険性を比較した研究では、日ごろは8時間睡眠の人が2時間睡眠が不足すると、「ほろ酔い状態」(体重1キロあたり0.54グラムのアルコール飲酒)と同じレベルの眠気に襲われることが判明しています。睡眠不足での運転の危険性は飲酒運転に匹敵するのです。

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