カラダの健康トピックス

医療
2016/06/01

No.84
痛いときは「冷やす」、それとも「温める」?

冷やすか温めるかをケース別にご説明

激しい運動、打ち身やねんざなどで肩や首、肘、手脚、腰などに痛みが出てしまうことがよくあります。そんなとき、あなたは患部を冷やしますか?それとも温めますか?
多くの人はそう聞かれると一瞬「?」と首を傾げてしまいます。いったい痛むときには「冷やす」のと「温める」のとどちらがよいのでしょうか?
実は痛む箇所を冷やすか温めるかは、ケースによって違います。そこを間違ってしまうと、かえって患部が悪化して痛みが強くなってしまうので要注意なのです。
では、まず「冷やす」ケースから見てみましょう。激しい運動をしたり、打ち身やねんざなどを被ると、体は痛めた部分を治そうとして患部の血流量を増加させ、炎症を引き起こして腫れや発熱、痛みなどが発生します。
こうしたケースでは炎症を抑えることがまず第一で、患部が痛んで熱く感じる間(痛みが出てから2?3日くらい)は冷やすほうがよいのです。患部を冷やすことで、筋肉が収縮して血行が低下。その結果、炎症を起こした患部に集まってくる血が少なくなって、炎症による腫れやむくみを抑えることができるのです。くわえて、冷えることで神経が鈍くなって痛みもやわらぎます。
一方、この時期に患部を温めると、かえって炎症がひどくなってしまいます。水で冷やすのはもちろん、氷や保冷材、濡れタオルやシップなどで炎症を起こしている患部を冷やすようにしてください。

回復期には「温め」で血行を促進

一方、通常は痛みが出てから2?3日くらい経つと、痛みもやわらいで炎症も収まってきます。しかし、患部の違和感や鈍い痛みはまだ残っています。この時期は炎症は収まったものの、患部はまだ完全に元に戻っておらず、筋肉も回復途中です。そのため血流も低下して酸素や栄養も不足し、細胞活動が低下しているので、違和感や鈍痛が残っているのです。
こうした時期には患部を温めることで、低下した患部の血流を活発にして十分な酸素と栄養が供給されるようにする必要があります。逆にこの時期に患部を冷やしてしまうと、筋肉が収縮して硬くなり、血行が悪化することで患部への酸素や栄養の供給が低下して、回復が遅れてしまうのです。
患部を湯船につけたり、温熱シートなどで温めることで、血行を促進して患部の回復を後押しするようにしてください。

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