カラダの健康トピックス

医療
2016/05/02

No.83
不快な首こり。でも、無理にほぐすのはかえって危険

重要な血管や神経が集中。脳梗塞の恐れも

パソコンやスマホ三昧の現代人は常に首を前に傾けがちで、首への負担は増える一方です。しかし、残念ながら忙しい現代人にはゆっくりと首を休める時間をなかなか取れないのが現状でしょう。
首はいくつもの繊細な細い筋肉が助け合いながら頸椎を支えており、常に重い頭を支え続けていることでこれらの筋肉には大きな負担がかかっています。とくに前かがみの姿勢は首への負担が数倍になるため、首を休ませないと疲労が溜まりがちで、首のこりに悩まされる現代人が増加しています。
そんな疲れた首に対してやりがちなのが、「もむ」という作業です。オフィスなどでは自己流のマッサージで首をもんでいる人をよく見かけますが、実はこの首をもむという作業、危険きわまりないということをご存じでしたか?
頭と体とをつなぐ首にはたくさんの大切な神経や血管が通っています。こうした首の神経や血管を強い力でもんでしまうことで、それらに悪影響を与えてしまうのです。とくに中高年に多いのですが、血管壁には老廃物や過酸化脂質などが溜まっていて、血管をもむことでこれらが血管壁からはがれて脳や心臓などの血管に詰まってしまい、脳梗塞や心筋梗塞などの重篤疾患を引き起こす可能性があるのです。

休息はもちろん、ストレッチや温めも効果的

さらに注意しなければならないのは、首の後ろには大切な自律神経が通っているということです。そのため、首に強い力で刺激を与えると、自律神経のバランスが狂って頭痛やめまい、不眠などといった自律神経失調症を発症してしまう恐れがあります。
このようなことからむやみに首をもむのは危険きわまりなく、とくに高齢になるほど注意が必要なため、もし首が疲れたらもまずにほかの方法で疲れを取るようにしてください。
少しでも首の筋肉を休ませることを考え、疲れる前に首を休めるように日ごろから心がけましょう。仕事や勉強などで首を長い間前のめりにしなければならない時は20分に一度くらいは首の筋肉を休ませるようにしましょう。椅子に座ったままでよいので、両手を首の後ろに当てがいながら頭を反らせるだけ反らして30秒数えるだけで、首の筋肉がゆるんで血行もよくなり、疲れが取れます。さらに、蒸しタオルや温シップ、カイロなどで首の後ろを温めるのも効果的です。
また家に戻ったら、お風呂に首まで浸かって疲れを癒した後、睡眠をたっぷり取ってください。自分の頭に適した高さの枕を探し直してみるのも、首の疲れを取るのに効果的でしょう。

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