カラダの健康トピックス

健康
2016/02/01

No.80
「座り過ぎ」があなたの健康寿命を縮める

日本人の座位時間最長で、死亡リスクが上昇

現代人に多いのが「座りっぱなし」の生活です。
仕事ではデスクの前で、家庭ではテレビやパソコンの前で、現代人はたくさんの時間を過ごしています。世界20ヵ国の平日座位時間の調査によると、日本人の成人の座位時間は世界最長を記録し、座り過ぎの民族であることも明らかになっています。
そんな中、近年の複数の研究で、定期的に運動をしている人でも長期間座ることによってさまざまな疾患が引き起こされ、肥満、糖尿病、腎臓病や肝臓病、がん、心疾患や脳疾患、腰痛などといったさまざまな慢性疾患を引き起こすリスクが高まることが分かっています。
たとえば総座位時間が4?8時間、8?11時間、11時間以上と増えるにつれ,総死亡リスクは各11%、冠動脈疾患死亡リスクに至っては各18%増加することが明らかになっているのです。
さらに最近では、座り過ぎが脳の機能や体力の低下などを引き起こして、心身に悪影響を及ぼしているという報告も寄せられています。

座りすぎると血行が悪化してしまう

では、なぜ座り過ぎが健康に悪いのでしょうか?
体内の血流を促進するためには体を動かす必要がありますが、長時間座り続けていると下半身を中心に血管が圧迫されることで血流が悪化してしまいます。たとえば長時間座った後で脚の大動脈の血管の機能が50%以上低下したという報告もあり、血流悪化によるさまざまな害を体に及ぼす恐れがあるのです。
また、座っていると、エネルギーが消費されないうえ、血液中の脂肪を分解するリポタンパク質リパーゼという酵素の働きが弱まって、脂肪が燃焼されずに体内に蓄積されることで肥満になってしまいます。
こうした座りすぎを解消するには、職場では30分に一度はコピーなどの立ってできる仕事や、簡単なストレッチを意識的に行うようにしてください。また、座る時には前かがみにならずに背筋をまっすぐに伸ばして座りましょう。
これは家庭でも同様です。家庭で座ってテレビを観たりパソコンを使ったりする場合は、CMなどを機会に30分に1度は意識的に立ち上がって、簡単な家事をするなどして動き廻るようにしてください。

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