カラダの健康トピックス

医療
2015/06/02

No.72
「ぐるぐる病院」で5年間20回以上も転院

生活保護受給男性が国と県に指導要望

昨年9月、東京足立区の病院に入院中の男性が不要な転院の即時中止などを求めて、生活保護を担当する流山市への指導を国と千葉県に要求する要望書を提出しました。
男性は2007年10月に全身の筋力が低下する病で都内の病院に入院。治療の結果徐々に回復して、2009年1月には千葉県流山市の病院に転院。住民票も同市に移して生活保護の受給者になりました。
しかし、その後も数ヶ月ごとに千葉県内や近県の病院に次々と転院させられ、なんと5年間で20回以上も転院。中には同じ病院に転院させられたこともあったそうです。
病院ごとの重複検査にくわえて、リハビリも短期間で転院するために効果が半滅。回復が遅れてしまったといいます。
しかし、治療の結果、男性は車椅子を使った移動が可能になっており、介護サービスを使えば自宅生活もできるため、流山市に退院を申し入れたものの「前例がない」と拒否されたそうです。

診療報酬目当てに病院側が転院を強制か?

生活保護受給者が短期間で次々と入退院を繰り返させられるケースは「ぐるぐる病院」  と呼ばれ、昨年8月に発表された総務省の生活保護実態調査では、3年2カ月の間に34回も転院させられ、2012年度だけで724万円もの医療扶助費がかかった例もあったといいます。調査の結果を受け、総務省は厚生労働省に全国的な実態把握とチェック体制の整備を勧告しています。
生活保護受給者は医療費全額が支給されるため、受給者が入院費用を負担する必要はありません。一方、病院側は近年入院の長期化によって診療報酬が減る制度になっており、長期入院患者を抱えると利益が減ってしまいます。そこで、生活保護受給者を一定期間入院させた後、関連病院へ転院させるネットワークを構築することで診療報酬が下がらない仕組みを作り上げ、転院を繰り返させていたのではないかと疑われているのです。
これを受けて厚労省も、早急な調査と医療機関に対する転院理由の確認ルールの徹底をはかるとしています。

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