カラダの健康トピックス

医療
2014/09/19

No.63
ご注意!夏かぜ「ヘルパンギーナ」が猛威

子供だけでなく大人も感染。重症化も

「ヘルパンギーナ」が猛威をふるっています。この夏、東京をはじめとする全国各地で幼いこどもたちを中心に患者数が国の警報基準を超え、大きな流行となったのです。
ヘルパンギーナはウイルス感染で発症する風邪の一種で、主に夏場に流行。患者は4歳以下がほとんどで、大人はかからないと思っている人もいるようですが、実は大人も感染。いったんかかると39度以上の高熱が続くなど、重症化するケースが多くなっています。
夏は猛暑などで体力を消耗しがちなうえ、効きすぎた冷房による室内外の温度差が激しいため、温度調整を担う自律神経がおかしくなってしまいます。さらに、熱帯夜でよく眠れないこともあって、夏バテを起こして免疫力が低下。そんな状態で感染した子どもと接触することで、大人も感染してしまうのです。
ヘルパンギーナの原因はコクサッキーA群ウイルスなどのウイルスで、患者のよだれやつばが咳やくしゃみによって飛沫となって飛び散り、ほかの子どもが吸い込んだり、手を介して口に入ったりして、鼻や喉の粘膜などに付着することで感染します。
ちなみに、ヘルパンギーナを引き起こすウイルスはいくつも種類があり、一度かかっても再度感染してしまうので、なかなかやっかいです。

38℃以上の高熱と激しい喉の痛みが特徴

ヘルパンギーナの潜伏期は2〜4日。突然38〜40℃の高熱が出て、1?3日間続きます。喉が真っ赤になって激しい痛みを感じ、のどの奥の口蓋垂とその周辺に1〜5ミリの水泡ができて、破れて潰瘍になると水を飲んだだけでも痛みます。さらに、食欲不振、全身倦怠感、嘔吐、四肢痛などの症状をともなうこともあります。
困ったことに現時点ではヘルパンギーナに有効な抗ウイルス剤やワクチンは開発されておらず、根本的な治療法や予防法はありません。そのため治療は、喉の痛みや熱などの症状を緩和するための対症療法が中心になり、熱や頭痛などに対してはアセトアミノフェンなどの解熱鎮痛薬を用います。また、ヘルパンギーナにかかると喉が痛くて水分が摂りにくいため、脱水状態にならないように水分を十分補給します。
ヘルパンギーナは一般的には治療しなくても2〜4日程度で自然に熱は下がり、水泡も1週間くらいで治るため、安静にして回復を待ってください。
一方、ヘルパンギーナの予防には、こまめな手洗いやうがいが第一です。患者と接触するのを避けるのはもちろん、家族でも共用のタオルは使わないようにした方がよいでしょう。患者の便にもウイルスが排泄されるので、乳児のオムツ替えの後はしっかり手を洗ってください。

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