カラダの健康トピックス

医療
2014/05/16

No.59
ご注意!はしか患者が急増。これから流行シーズン

海外で感染した人から流行が広がる

「はしか」の患者数が増加しています。国立感染症研究所の発表では、4月6日までに報告された今年のはしかの累積感染者数は全国で253人にのぼり、3か月あまりで昨年1年間の232人を大きく上回っています。昨年の同時期と比べると3倍以上で、未成年が半数以上を占めています。
はしかは2007年から2009年にかけて若者を中心に大きな流行があり、感染者数は1万人以上にのぼりましたが、犯人は主に国内土着のウイルスによるものでした。しかし、感染者数はその後劇的に減少し、2010年以降は国内土着ウイルスによる感染者は検出されていません。
一方、今回の流行は海外から持ち込まれたウイルスによるもので、患者たちから検出されたウイルスの多くはフィリピンを中心に大流行しているB3型。海外で感染して帰国した人からの2次感染によって流行が広がったとみられています。
また、感染者の半数ははしかの予防接種歴がまったくないか、不明という調査結果も出ています。
  

40℃近い高熱、発しん、そして死者も

はしかウイルスは感染力が極めて強く、せきやくしゃみなどの飛沫感染、空気感染、接触感染などによって感染し、免疫を持たない人は感染によってほぼ100%発症します。
はしかは潜伏期が10日前後と長いのが特徴で、熱や咳、くしゃみ、鼻水など、インフルエンザによく似た症状を引き起こします。熱はいったん落着きますが、数日後にまた高熱を発し、全身に赤い発しんが現われます。
そして、熱が長く続いた後、10日くらいでようやく回復しますが、体力や免疫力が落ちるため、合併症を引き起こす例も多く、肺炎や脳炎などを発症した場合は命に関わることもあります。
はしかに対しては、現時点では有効な治療薬が開発されていないため、ワクチン接種で感染を防ぐしかありません。しかし、一度かかれば、その後は免疫がついて一生かかることはありません。
はしかは春から夏にかけてが流行期のため、今後さらに患者数が増える恐れがあります。厚生労働省は、予防接種を受けていない、とくに周囲に妊婦や乳幼児がいる人や、これから東南アジアなどのはしかの流行地域に旅行する人はワクチンを接種するよう呼びかけています。

TOP >> カラダの健康トピックス >> 記事