カラダの健康トピックス

健康
2013/06/11

No.48
清涼飲料飲み過ぎ女性は脳梗塞に注意

脳梗塞リスクが1.83倍に

これからはさわやかな清涼飲料水がおいしい季節ですが、コーラなどの清涼飲料水を毎日飲む女性は飲まない女性に比べて脳梗塞になるリスクが高いというあまりありがたくない研究結果が最近発表されました。

大阪大学の研究グループは、東京、岩手、秋田、長野、沖縄の5都県に住む1990年当時40?59歳だった男女3万9786人の生活習慣を18年間追跡調査した国立がん研究センターのデータを分析。甘味料を加えた清涼飲料水や果汁飲料(果汁100%ジュースを除く)を約250ミリリットル(コップ1杯強)飲む回数を「ほぼ毎日」「週3、4回」「週1、2回」「ほとんど飲まない」の4グループに分け、脳梗塞、脳卒中、虚血性心疾患などの循環器病の発症割合を比較しました。

その結果、1047人(男性670人、女性377人)が脳梗塞を発症。とくに女性では清涼飲料水や果汁飲料を飲む頻度が高いほど脳梗塞になるケースが増え、「ほぼ毎日飲む」女性の発症率は「ほとんど飲まない」女性の1.83倍を記録。この成果を記した論文は米医学専門誌(電子版)2012年12月号に掲載されました。

糖分過剰摂取が動脈硬化の原因に

脳梗塞は循環器系重疾患の中ではもっとも発症率が高く、脳卒中死亡の60%以上を占める危険な病気で、動脈硬化や血栓などで脳の血管が詰まることで発症します。甘い清涼飲料水を過度に飲んで糖分を過剰に摂取することで血糖値や中性脂肪値などが上昇し、動脈硬化や糖尿病などが引き起こされることで、脳梗塞の危険が高まるのです。

一方この研究では、男性については女性のような傾向は見られませんでした。結果が男女異なる理由については、女性は男性に比べて筋肉量が少ないため代謝が悪く、清涼飲料水に含まれる糖分の影響を受けやすいのに対し、男性は女性より筋肉量や運動量が多く、摂取した糖分がエネルギーとして代謝されやすいためではないかと見られています。

ちなみに、心筋梗塞などの虚血性心疾患や出血性の脳卒中に関しては、脳梗塞と違って男女とも明らかな変化が見られませんでした。その理由としては、20?40代の日本人女性はこれらの病気の原因となる悪玉コレステロールが少なく、糖分摂取の影響が出にくいためではないかと考えられています。

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