カラダの健康トピックス

医療
2013/04/09

No.46
死者続出!SFTSウイルスって何?

マダニが媒介する恐怖のウイルス

「重症熱性血小板減少症候群」(SFTS)ウイルスによる死者が今年に入ってはじめて国内で報告され、過去に4人の死者が出ていたことが確認されました。SFTSは2009年に中国で初めて発生が報告された感染症ですが、わが国の患者は全員が感染時期における海外渡航歴がないため、国内で感染したものと見られています。
SFTSは初期症状が風邪に似ていることや、知名度も低かったため、発症しても風邪などの感染症と診断されたり、原因不明とされたりしていたものと思われ、厚生労働省ではSFTSウイルスは以前から国内にも存在していた可能性が高いと見ています。
SFTSウイルスはマダニに咬まれることによって感染しますが、マダニ類は国内の植物の多い地域に広く生息しているので注意が必要です。ちなみに、家にいるイエダニは感染症は媒介しないので安心してください。

有効なワクチンなどの治療法はなし

SFTSの主な症状は、食欲低下、吐き気、腹痛、下痢などの消化器症状、発熱、頭痛、筋肉痛、全身倦怠感などで、重症化すると血小板の数が減って肛門や歯茎からの出血が止まらなくなり、意識障害やけいれんを起こして死亡することもあります。
いまのところSFTSに有効なワクチンはなく、治療は対症療法に限られているのが現状です。予防法としては、マダニの活動が盛んな春から秋にかけては、森林、藪、草むら、公園、庭などマダニが生息する場所で活動する時は。マダニに咬まれないように長袖や長ズボン、靴などを着用して肌の露出をできるだけ少なくしてください。そして、活動後はマダニに咬まれていないか、着ていた服にマダニが付いていないかなどを確認。外に出るペットには、ダニよけの薬や首輪などを使用させましょう。
もしマダニに咬まれたり、発熱などの症状が出た場合は、すぐに医療機関を受診してください。また、吸血中のマダニを見つけた場合は、無理に払うとマダニのとげが体内に残ってしまうので、マダニが付いたまま医療機関を受診してください。

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