カラダの健康トピックス

健康
2011/01/12

No.21
「風邪の日」はインフルエンザにご注意

油断大敵!「風邪は万病の元」

インフルエンザや風邪が猛威を奮う最中の1月9日は「風邪の日」の記念日です。
稀代の名横綱「2代目谷風」の命日にちなんで、制定されました。寛政7年(1795)の正月、4年間不敗の63連勝の大記録を達成するなど、無敵と呼ばれた四代目横綱「谷風」は、前年末に患ったインフルエンザが悪化、9日に世を去りました。そして、これをきっかけにインフルエンザのことを「谷風」と呼ぶようにもなりました。
一般に風邪と呼ばれる病気は正式には「かぜ症候群」と呼ばれ、多くはウイルスを感染原因として、11月から3月にかけての冬場に流行します(夏場に流行る風邪は「夏風邪」と呼ばれます)。
風邪の種類としては、普通感冒とインフルエンザがその代表で、このうち普通感冒の原因となるウイルスはライノウイルスやコロナウイルスをはじめ全部で数百種類もあるといわれています。風邪ウイルスの感染力は比較的弱く、症状としては、くしゃみ、鼻水、せき、のどの痛みなどから始まり、次第に悪化しますが、発熱しても37度5分程度で、数日で治ってしまうものがほとんどです。ただし「風邪は万病の元」といわれるだけあって、こじれた場合には中耳炎 副鼻腔炎、腎盂炎、扁桃炎などをはじめ、悪化して肺炎などの命に関わる合併症を引き起こす恐れもあり、とくに体力のないお年寄りや幼児は要注意です。
一方、インフルエンザの原因となるのは、インフルエンザウイルスやパラインフルエンザウイルスなどの難敵ウイルス。感染力も強く、急な寒気や頭痛にはじまり、咳、全身のだるさ、関節、筋肉、頭などの痛み、食欲不振、吐き気、下痢などの激症状を引き起こします。熱も40度近くに達し、治らないまま高齢者が死亡するケースも跡を絶ちません。乳幼児の脳にウイルスが達して脳症を発症、けいれんや意識障害などを引き起こす恐れもあります。

風邪を治す薬はいまだになし

驚くことに風邪のウイルスを根治する特効薬はいまだに開発されていません。このため、これまでは代りに抗生物質を処方されるケースが多かったのですが、実は抗生物質は細菌には効果があるもののウイルスには効きません。症状が悪化して肺炎などを併発してしまった場合のみに抗生物質を使うべきで、副作用の危険もあるため、最近ではお医者さんに頼んでも処方されません。
やはり風邪には予防が一番・・、もし運悪くかかってしまった場合は、のどの痛みや咳などをやわらげる薬を服用して、加湿器や暖房などで部屋の湿気や温度を高く保ち、安静にすることで、自力回復を待つほかはありません。
また、睡眠を十分にとるとともに、水分(ウイルスの増殖を助ける鉄分の吸収を食い止めるお茶や、体内で不足するミネラルを補給するスポーツドリンクなど)をたっぷりと補給。免疫がウイルスと戦うことで発生する活性酸素の被害を抑制するビタミンCを多く含むかんきつ類、大根、サツマイモなども多めにとるようにしてください。さらに、細胞の材料となるタンパク質の不足を補うため、卵などのタンパク質を多く含む食品の摂取も必要でしょう。

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