カラダの健康トピックス

医療
2010/04/23

No.15
皮膚科学会が薄毛の治療指針を発表

男性の3割が薄毛に悩みを

髪が抜け落ちて薄くなる「薄毛」に悩む男性は約800万人、軽症も含めると成人男性の30%にのぼると言われています。その主な原因は男性ホルモン、遺伝、食事を含めた生活習慣、ストレスの4つ。
最近では薄毛に悩む女性も多く、その原因として、加齢、男性ホルモン、副腎皮質ホルモン、ストレスなどが挙げられています。
こうしたことからわが国の育毛市場は近年600億円以上に達し、科学的根拠に基づかない商品やサービスも増加、健康被害や金銭トラブルが問題となっています。
国民生活センターの調べでは、09年度の養毛剤に関する苦情や相談は153件と、05年度の約2.5倍増。続出するトラブルを予防しようと、今年4月日本皮膚科学会は初めてとなる男性型脱毛症に関する診療指針を発表しました。

人工毛植毛より自毛植毛が安全

今回発表された日本皮膚科学会の指針では、治療薬、成分、植毛などの10項目の治療法の科学的根拠を調査。評価をA(強く勧められる)、B(勧められる)、C1(考慮してもよいが、十分な根拠がない)、C2(根拠がないので勧められない)、D(行わないように推奨)の5段階に分類しました。
治療薬のうちA評価を受けたのは、プロペシア(成分名フィナステリド、飲み薬。女性ではD判定)とリアップ(成分名ミノキシジル、塗り薬)。他の治療薬に使われる成分では、アデノシンやt―フラバノンなど5成分がC1評価で、セファランチンはC2評価でした。
また、植毛では自らの毛を移植する自毛植毛がB評価、感染や拒絶反応などが多く報告されている化学繊維による人工毛植毛はD評価でした。
指針では、診断で軽症とされた場合はC1群の育毛剤を1年間使用、効果がない場合は自毛植毛を行う等、治療手順も示しています。

TOP >> カラダの健康トピックス >> 記事