カラダの健康トピックス

食品

No.5
気になる現代人の野菜不足
外食機会の多い人やバランス良い食事が摂りづらい一人暮らしの人は、特に毎日の野菜が不足しがちです。野菜には、体の機能を健康的に保つ栄養成分が多く含まれます。ほかの食材と共に積極的に野菜を摂り入れましょう。
厚生労働省が国民の健康づくり運動の一環として提唱する「健康日本21」によれば、15歳以上の成人では一日、緑黄色野菜120g、そのほかの野菜を230g、合計で350gを摂取することが望ましいとされています。
しかしながら「平成19年度の国民健康・栄養調査」を見ると、一日の野菜の摂取量は、20〜40代では平均200g台です。年齢とともに野菜を摂る量は増加しますが、60代でようやく男女平均が330g台まで達し、目標とされる一日350gの量に近づく程度です。

栄養素を効率的に摂取

手軽に野菜不足を補なうには、野菜ジュースも効果的です。野菜ジュースのメリットは、ビタミンやミネラルなどの栄養素を豊富に効率的に摂取できること。特に、トマトに含まれるリコピンやにんじんに含まれるβカロテンといった機能性成分はジュースにすることで、吸収性が高まります。 市販されている野菜ジュースの中には、一日一本で必要な野菜量が摂取できると謳っている製品もあります。しかし注意したいのは、こうした野菜ジュースで、野菜の栄養素がすべて補えるわけではないということです。

食物繊維は生野菜などで

特に、ジュースをつくる途中で、野菜から摂れる不溶性食物繊維(セルロース)はほとんど取り除かれてしまいます。食物繊維は、便秘の解消、腸内環境の改善といった効果がありますので、こうした成分は、生野菜や調理した野菜などで摂ることが望ましいでしょう。

緑黄色野菜とその他の野菜は1対2

野菜は、緑黄色野菜とそのほかの野菜に大別でき、それぞれ含まれる栄養素が異なります。
緑黄色野菜と呼ばれるものは、可食部100gのうち、βカロテンを600μg以上含む野菜です。例えば、トマト、にんじん、ピーマン、オクラ、かぼちゃ、とうがらしなどは、緑黄色野菜です。トマトやとうがらしのように、赤い色でも緑黄色野菜に分類されます。
一方、だいこん、かぶ、きゅうり、なすなどは、淡色野菜と呼ばれています(だいこんなど葉の部分は緑黄色野菜)。
淡色野菜には特にビタミンCを多く含むものが多くあります。ビタミンCは熱や水に弱いため、だいこんやきゅうりなどはサラダにして食べたり、少し多めに摂取したりするように気を配りましょう。
このように野菜は、それぞれの成分が異なるので、緑黄色野菜と淡色野菜は、1対2の割合を目安にバランスよく摂るのが望ましいのです。

旬の野菜で健康的に

栄養素を効率的に摂取するためには、やはり旬の野菜を摂ることがおすすめです。これから、暑い季節に食欲や体力が落ちて夏バテになってしまうような体には、夏野菜を試してみましょう。
キュウリ、トマト、なすなどは、代表的な夏野菜です。キュウリは、イソクエルシトリンという成分を持っています。利尿作用があるので、余分にとった水分や熱をとりのぞき、むくみなどを解消してくれます。
トマトは、ビタミンA、B1、B6、C、カリウム、ペクチン、カロテンなど栄養素も豊富。動脈硬化の抑制に効果的といわれるリコピンも多く含んでいます。
夏の疲労回復に効果的なのは、オクラやモロヘイヤなどのネバネバした野菜です。ネバネバの成分「ムチン」は、胃の粘膜を保護し、疲労回復に役立ちます。

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